今月の定例勉強会が中止になったこと等の理由で、臨時勉強会を実施いたしました。普段とは違い木曜日に開催したこともあり、参加者は少なかったのですが、噺家2名がそれぞれ新根多を披露し、それぞれに課題を持ち帰ることができました。
【この日の根多帳】
○「死ぬなら今」 石々亭 註馬
○「狸の鯉」 笑風亭 佐と吉
○「Time Noodle」 石々亭 註馬
○「転失気」 笑風亭 佐と吉
私の「死ぬなら今」は地噺の色が強いもので、なかなか落語になりませんでした。講釈調でやってみるのも手なのかもしれません。噺の内容は特に面倒な点はないのですが、クスグリも含めた噺の設計を、もう一度見直すことが必要だと改めて感じました。もう1つの「Time Noodle」は快楽亭ブラック師匠の意欲作で、某有名古典落語を中1レベルの英語で展開したものです(師匠は高座に実物を準備し、命を削りながら体当たりで取り組んだそうです)。短い作品で使い道があるかと思い、掛けてみましたが、原作の古典落語の面白さとは全く違うウケのツボになってしまい、とらえどころがなくなってしまいました。予想どおり、特殊用途の噺なのかもしれませんね。
佐と吉さんの「狸の鯉」も根多出しの一席でした。いくつかある「狸の恩返し」に関する噺の中でもシュールな味わいが強く、ハラハラするものがあります。まだ仕込み中ということでしたが、節々に佐と吉さんらしさが見え隠れしていました。熟成してくると、次の佐と吉さんの定番になりそうな雰囲気がありました。乞うご期待。
【石々亭註馬】