上山市北部公民館落語会

風薫る五月のはずが、あいにくの雨となった5月15日(月曜日)。上山市弁天にある北部地区公民館で開催された「令和五年度 ゆうゆうライフ開講式~落語会」にお呼ばれし、山形落語愛好協会の輪々亭そらしさん、如月家道楽さんと私、山彦亭虎之輔がお邪魔して来ました。当協会の噺家が同公民館で落語を披露させてもらうのは、今回が初めてです。
今回のイベントは同地区の高齢者教室(ゆうゆうライフ)の年度当初の行事で、午前10時から開講式があり、その後10時40分から落語会が始まりました。同公民館の職員の方も含めて約40名の皆様に約1時間、当会の落語でたっぷりと楽しんでいただきましたよ(^^)/

【本日の噺家と演目】
〇如月家 道 楽・・・『蛙茶番』
〇輪々亭 そらし・・・『権助提灯』
〇山彦亭 虎之輔・・・『六尺棒』

初っ端(しょっぱな)は、道楽さんです。開口一番、「4月に出演した落語会はほとんどが男性でしたが、今日はお客様のほとんどが女性。何とやりやすいことでしょう」と満面の笑顔で語りかけ、お客様を引き込みます。そして、小噺を幾つか振ったところで、知る人ぞ知る恒例のカミングアウトでドカーン。その勢いで、素人芝居を題材にした艶笑落語の「蛙茶番」へ突入しました。古典落語には、目立ちたがり屋でそそっかしいお調子者の江戸っ子が登場しますが、この噺に登場する職人の半公も、相当なものです。「舞台番」として目立とうと、真っ赤なちりめんの褌を準備したまでは良かったのですが……。戦時中、禁演落語となった演目で会場を大いに沸かせて、お後と交代です。( ^)o(^ )

続いては、艶やかな着物で登場のそらしさんです。最初に、「あたし、上山市の西郷地区出身なんだけど、誰か知っている人来てねべがとドキドキしてんの」と、嬉し恥ずかしの乙女心を吐露すると、会場がざわつきましたね。その問いかけの答えは、終演後に判明。「私、西郷地区出身です」とそらしさんに会われた女性の方がおられたのでした。ともあれ、ゆったりとした雰囲気の方言で、お客さまをほんわかとさせるそらしワールドは今日も絶好調で、会場は笑顔全開です。演目は、「蛙茶番」同様、戦時中禁演落語となった『権助提灯』。本妻と妾の間できりきり舞いをする商家の主人を描いた噺ですが、キイパーソンは提灯持ちの権助。権助の セリフで大いに笑いを誘って、お後と交代です。(^^♪

そしてトリは、地元出身の虎之輔が務めさせてもらいました。マクラでは、上山市の観光ボランティアガイドも務めている虎之輔が、お客さまを「上山の城下町散策コース」にご案内。そこから、お客様参加型の「寅さんのタンカバイ」に進みました。噺家がオチを言う矢先に、お客様がオチを答えるという禁じ手に敢えて挑戦してもらい、答えが出ると私がジェスチャーでリアクションを返す流れですが、正解率の高さは抜群。会場は大いに盛り上がりましたよ。その勢いで、これもなぜか戦時中に禁演落語の一つになった「六尺棒」へ。頑固一徹の真面目な父親と、遊び人の息子の丁々発止の馬鹿々々しいやり取りが楽しい一席で、会場はさらに盛り上がり、無事お開きとなりました。( ^)o(^ )

本日のお客様と本日の出演者三名は、ほぼ同世代。本日の演目は、奇しくも戦時中の禁演落語三席になりましたが、アットホームな雰囲気の中、出演者一同も楽しいひと時を過ごさせてもらいました。終演後には、篠田精肉店特製のお弁当や、北部地区公民館特製のボールペンもいただき、ありがとうございます。また、帰りがけにたくさんのお客様からお礼のことばをかけていただき、嬉しい限りです。ご来場のお客様と、企画・運営して下さった関係者の皆様に感謝申し上げ、落語会の報告とさせていただきます。<(_ _)>  【山彦亭 虎之輔】

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