「やまがたトークアイ」落語会のご報告

 7月12日午後は、視覚障がいの皆様の集まりにお呼びいただきました。これまでになかった場での落語会で、私たちの会の活動の広がりを実感します。山形市で一番高い建物である「霞城セントラル」の23階での高座は、噺家一同、これまでにない感覚をつかんだ場となりました。
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【本日の根多帳】
○結婚式風景    石々亭註馬
○はんどたおる   笑風亭佐と吉
○たけのこ     石々亭註馬

 初めにスタッフの方が高座の状態や噺家の服装などを丁寧に説明して下さりました。そのことがあり、聴いて下さる皆様が、安心して落語の世界に入っていただけたのではと思います。何よりも、終始一貫して素直に笑っていただけたのが良かったことでした。
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 開口一番は註馬の「結婚式風景」で、今週2回目の口演です。根多出しした前回を踏まえて修正を加え、少し手応えをつかめました。夫婦の名前を会場にいたある方の実名で始めたら、さすがにその場で止められてしまいました…
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 続いての佐と吉さんの「はんどたおる」は夫婦がテーマで、「結婚式風景」その後といった続きもののようになりました。4年ほど前、私がこの会に加えていただいていた頃の佐と吉さんが最も得意としていた根多ですが、昨年11月の「一歩一歩の会」以来の口演です。ハプニングも笑いに転換するなど、その後の佐と吉さんの人生と、持ち前の人柄が滲み出た高座で、大いに楽しんでいただきました。
 もう1席は註馬の「たけのこ」、噺の舞台は江戸時代の武家屋敷に一変します。春の噺なので季節はずれですが、以前は秋にも掛けたことのある噺で、やってしまえと思って口演しました。時間が少ないためマクラを少し変えてみたところ、やはり違った手応えがありました。
 今日は、二人にとって長い付き合いの噺を掛けてみましたが、それぞれに新しい発見がありました。これからも高座に掛けていく根多だと思いますが、これから先も、また違った風景が見えるのではと楽しみにしています。
【石々亭註馬】

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