山形落語愛好協会上山寄席

 8月5日(金曜日)、上山市十日町の中部地区公民館で開催された「山形落語愛好協会上山寄席」に、同協会の石々亭註馬さん、輪々亭そらしさん、如月家道楽さんと、私、山彦亭虎之輔がお邪魔して来ました。同公民館での落語会に当会の噺家がお呼ばれするのは今年2月の「同公民館いきいきサロン~落語会」に続いてニ度目ですが、今回は同公民館の新企画として、中部地区在住の方々から参加者を募集して開催していただいた落語会でした。本日、雨にも負けず、コロナにも負けず、さらに夏の暑さにも負けずに中部公民館にご来場いただいた約20名の皆様には、当会の古典落語四席でたっぷりとお楽しみいただきましたよ(^_-)-☆

【本日の噺家と演目】
〇如月家 道 楽・・・『紙入れ』
〇輪々亭 そらし・・・『地獄八景』
仲入り
〇山彦亭 虎之輔・・・『三方一両損』
〇石々亭 註 馬・・・『後生鰻』

 初っ端は、夏らしい浴衣姿で登場の道楽さんです。道楽さんと言えば、知る人ぞ知るマクラでのカミングアウト。今日はどこで出るかと思いきや、開始早々に登場しましたね。そして、夏のフーリン(風鈴)ならぬフリン(不倫)の小噺から。艶笑落語の『紙入れ』に突入。「間男は亭主の方が先に惚れ」という川柳がありますが、間男というにはまだうぶな新吉と、彼をひいきにする豪快でちょっと間抜けな旦那。そして、その女房であり、新吉を誘惑するおかみさんの三人が織りなすやり取りに笑いが巻き起こりました。場をしっかりと温めて、お後と交代です(^_-)-☆

 続いての中トリは、艶やかな青い着物姿で登場のそらしさんです。演目は、本日ネタ下ろしの『地獄八景(亡者戯)』。お盆を控えたこの時期にぴったりのあの世が舞台のお話です。そらしさん特有の方言まじりのゆったりとした優しい語り口に聞き入りながら、お客さんは「奇想天外な地獄めぐりツアー」をたっぷりと楽しんでおられましたよ。20分強の大ネタでしたが、くすぐりどころではしっかりと笑いも起こり、大いに満足していただいたのではないでしょうか(*^_^*)
 
 

 「お仲入り」をはさんでの膝代りは、「上山生まれの上山育ち、かみのやま温泉の共同浴場で産湯をつかった」虎之輔が務めさせてもらいました。「寅年は寅(虎)さんの年、山落の虎も頑張ります」と口上を述べたところ、あたたかい拍手をいただきましたよ( ^^) _U~~ そして、演目の『三方一両損』へ。喧嘩っ早いが、心根はやさしい江戸っ子二人を、江戸南町奉行所の大岡越前守が見事に裁きます。越前守には、現代にタイムスリップしてもらい、統一教会と某政党某派の議員連中の癒着関係を見事に裁いてもらいたいと思うのは、私だけでしょうか。ともあれ、笑いどころでは大いに笑っていただき、お後と交代です(^^)/

 そしてトリは、ご当地上山市と浅からぬつながりのある註馬さんです。マクラで「今年の夏の土用の丑の日は二回あり、実は昨日の8月4日も丑の日だった」といううんちくを披露。「昨日、うなぎを食べた方はおられますか」と会場に問いかけると、なんと三人いましたね(^^♪ 時は昼どき。うなぎが食べたくなったところで、演目の『後生鰻』へ。この噺は『紙入れ』同様、戦時中「禁演落語」になっていたとか。決して色っぽい噺ではないのですが、下げのブラックジョークがその理由なのでしょう。ともあれ、お客さんは註馬さんのほんわかとした語り口に包まれながら、笑ったり、聞き入ったり。大いに楽しんでいただいて、お開きを迎えました( ^)o(^ )

 最後のあいさつでは、本日の演目の紹介後、第14回「山形落語まつり」の宣伝もさせてもらいました。上山市中部地区公民館へご来場された皆様、そしてスタッフの皆様。来年もお目にかかることを楽しみにしています。本日は、誠にありがとうございました。
【山彦亭 虎之輔】

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