第1回老舗料亭で落語を楽しむ会のご報告

 報告が遅くなってしまい申し訳ありません。この度、老舗高級料亭であり、「るろうに剣心」などの映画の撮影場所にも度々なっている千歳館さんでの落語会の初回が開催されました。「山形の落語文化を後押ししたい」というありがたい申し出に応える形で、2か月に1度のペースでの千歳館落語会が続いていく予定です。トップバッターは笑風亭間助顧問と私・天空亭魚々太郎の2人でした。私にとっては約5か月ぶりの高座ということで、大変に緊張したところです。
【演目紹介】
①「つる」・・・・・・笑風亭   間助
②「宗論」・・・・・・天空亭 魚々太郎
③「カラオケ病院」・・笑風亭   間助
                                               若旦那の挨拶

                                                会場の雰囲気

 
 開口一番は間助顧問の「つる」です。何度も聞きなれたネタではありますが、3か月間高座に上がっていないというブランクをまるで感じさせない堂々とした高座でありました。「つる」というネタには落語の要素がすべて詰まっているというので、桂米朝(人間国宝・文化勲章受章)一門では最初に覚えさせられるものと決まっているそうです。間助風にオーバーアクションにアレンジされた「つる」は小編ながら見ごたえがありました。

 次は私・天空亭魚々太郎の「宗論」でした。何度もかけたネタですが、今回、内容をかなり濃くして親父の頑固ぶりを前面に出そうという新版「宗論」の蔵出しという形になりました。久しぶりの高座ということや、内容を盛り込み過ぎたせいで活舌の悪さやリズムの悪さを生み、これまでで一番ひどい出来だったように思います。とてもお金を取って見せる芸ではないなと猛省したところです。落語の怖さも感じました。内容を少なくしてすっきりリズムよくなら問題がなかったかもしれませんが、より良いものにと考えるとぐだぐだになってしまうこともあります。噺を創る難しさを痛感させられたところです。結果はどうあれ、噺の進化を目指すべきというのが、基本的なボクの考えではありますが・・・。(立川流に考えが近いかも)でも、うまくいかなかったら修正するしかありません。ただ、素人とは言え、こなす噺家ではなく挑戦する噺家でありたいとは思っています。

 トリは間助顧問の十八番の「カラオケ病院」です。歌がうまくて面白い!顧問の中でも十八番中の十八番でしょう。いつものように手拍子が沸き上がり、皆さんもり上がったところでお開きとなりました。
 
 続いて懇親会です。若旦那が調達した鯛は、結構脂がのっていてポン酢との相性が抜群でした。おでんは圧巻!!これで一人分なのというボリューム!!しかも、上品な味付けにペロリと頂戴したところです。新型コロナのダメージがありながら一人の解雇者も出さなかったというのは、若旦那の、そして高級料亭としての気概を感じさせるものがあります。流石!!!としか言いようがありません。千歳館にはこれからもお世話になります。どうかよろしくお願いいたします。
 そしてまた、間助顧問は別として、金を払ってまで見る芸を披露できなかった私に付き合って下さった13名のお客様に感謝申し上げ、第1回千歳館落語会の報告とさせていただきます。関係者の皆様、本当にありがとうございました。落語が下手くそ過ぎて恥さらしの魚々太郎の今後は如何に?

【天空亭魚々太郎】

コメントは受け付けていません。