若木おたっしゃクラブ落語会のご報告

3月17日、山形市の若木おたっしゃクラブ様のお招きで、若木公民館で開かれたいきいきサロン落語会に如月家道楽さん、楽笑亭明世さんと私、山彦亭虎之輔の三人がお邪魔してきました。新型コロナウイルスの影響で予定されていた落語会が残念ながら次々に中止されていた時節ですが、若木おたっしゃクラブ様からは「予定通りやります」という力強い回答をいただき、張り切って参上した次第です。予防のためマスク着用している方が多いものの、明るい表情の約20名の元気な皆様に、たっぷりと落語をお楽しみいただきましたよ(^^)

【本日のプログラム】
〇如月家 道楽   「金色夜叉」
〇楽笑亭 明世   「鹿政談」
〇山彦亭 虎之輔  「時そば」

開口一番は道楽さんです。最初は自己紹介。「好きな食べ物」とか「好きな芸能人」は、自己紹介の定番ですが、なぜか「好きなドラッグストア」へと話題が進み、あっと驚くパフォーマンスで大爆笑。会場がなごんだところで、本日の演目「金色夜叉」へ。明治時代の男女の恋愛話に「合コン」「一番人気」等の今風のワードを入れ、小説ではわき役の富山唯継(トミヤマタダツグ)にも焦点を合わせた話で聞かせます。そして後半、「金色夜叉の歌をみんなで歌いましょう」と誘うと、なんと会場の皆様はしっかりと歌ってくれたのです。楽しく盛り上がったところで、お後と交代です(^_-)-☆

続いては、明世さんの登場です。「落語の噺には、滑稽噺、人情噺、芝居噺、怪談噺の四つがありまして私がこれから話すのは人情噺なので、笑うところはないと思います」と前置きして、本日の演目「鹿政談」に入りました。ところが、ところどころで笑いが起き、明世さん自身もびっくりしていましたね(^^♪
「鹿政談」とは、鹿が「神獣」として手厚く保護されていて、鹿を殺したら死罪は免れないという時代の話。豆腐屋のおじいさんが豆腐の原料である「キラズ」を食べている鹿を赤犬と間違えて殺してしまい、おじいさんはお裁きを受ける身に。はたして、名奉行の裁きとは……。「桜を見る会」で野党に追及され、保身に走って逃げを打つ政治家の「国会答弁」を見聞きする昨今、「こういう名奉行が現代にいてくれたら」と感じたのは、私だけだったのでしょうか。

トリは、虎之輔が務めさせてもらいました。マクラで「新しい令和の三月を迎えました」(これは、四月まで使えますね)で始まる小噺を幾つか振りましたが、爆笑してもらいましたよ(*´▽`*)今回もオチを言う前に会場から聞こえてきたりして、アットホームないい雰囲気になったところで、演目に突入。本日は三月中旬とはいえ、雪がうっすらと積もり肌寒い朝でしたので、演目はあったかいそばの出て来る「時そば」にした次第です。この噺の前半、客がそばやに「どうだい景気は」と尋ね、そばやが「悪い」と答えると、「悪いからいいじゃないか、世の中持ち回りだ。今が悪けりゃ必ずよくなるからね。だから飽きずにやんなくちゃいけない」とうんちくを傾けるところがありますが、話していて「これは、今の世の中にぴったりのメッセージだ」と思ってしまいました。

落語が終わった後、そのまま皆様とお茶を飲みながら歓談する時間がとられました。若木おたっしゃクラブの皆様は、体操をよくなさっているとのこと。「体操は体にいいし、落語は想像力を使うので、頭の体操としていいですよ。皆さん元気だから、落語を聞けば鬼に金棒です。」と、手前みそながら落語の効用を話させてもらいました。
自粛ムードの濃厚な最近、皆様の笑顔を見ることができてほっとしております。とても楽しい時間をありがとうございました。またお目にかかれる機会を楽しみにしています(*^^)v 【山彦亭 虎之輔】

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