平成30年度東北大河会定期総会落語会のご報告

 本日は酒田市にて、東北日本ハムのOB会(大河会)に、浅草亭恋之介さんと、私・天空亭魚々太郎の2人でお邪魔してきました。ホテルの豪華な一室での懇親会の前の落語会で御座いました。大変反応のよい約50名ほどのお客様に落語を披露してきたところです。

【本日のプログラム】
〇浅草亭 恋之介・・・・・「東北の宿」
〇天空亭魚々太郎・・・・・「不動坊火焔」

 開口一番は浅草亭恋之介さんの18番かつ鉄板ネタ・「東北の宿」です。小咄から大ウケ!噺に入ってからも大爆笑の連続で大いに場が盛り上がったところです。」さすがです。(^o^)

 さて、次に上がったのが私・魚々太郎です。大ネタ、トリネタと言われる長い噺の実質的なネタ下ろしという博打に近いことをやらせていただきました。酒田市に11年間住んだ第2の故郷への恩返しということでの大博打でした。受ける鉄板ネタは他にあるのですが、あえて私を育ててくれた酒田市は裏切らないという思いからの挑戦でした。なぜなら私が高校時代を過ごした東栄町のすぐそばのホテルだったからです。もう稽古に稽古を積んでの出番でした。

 結果はというと・・・(^_^;)でした。どうやら鳥海山の六合目あたりまでは登れましたが、そのあたりで遭難した感じです。魚々太郎はあえなく凍死しました。(>_<)  しかし、毎月の勉強会で指摘され、考えて考えてやっと創り上げたオリジナルの構成、大人数の演じ分けや所作、声の大小やら起伏、手ぬぐいや扇子の扱いから目線まで、とにかく落語の基本的技術が全て詰まった後半部分で笑っていただけたのが、苦労した分だけ何よりも嬉しかったです。登場人物が2人しか出てこない前半が、噺が単純で2人しか出て来ないという演者からすると簡単であるという思い込みが詰めの甘さを生んだという悔しさが残りました。早口になって「間」を忘れ、お客様に届かなかった感が自分でも分かりました。苦労した部分はやっぱり慎重になるから届くんですよね。酒田は、やはり私を育ててくれるよい町でした。私の噺に最後まで付き合って下さったお客様に「感謝」という言葉しか見当たりません。m(_ _)m
 恋之介さんにも感謝です。終わった後、私の落語を分析してすぐにアドバイスしてくれました。私ごとにばかりになってすみませんが、六合目で息が止まる時に頂上がはっきりと見えました。「熱演お疲れ様でした!」というお客様のあまりにも温かい言葉に思わず涙ぐんだ私でございました。いつかこの「不動坊火焔」で鳥海山の頂上を目指してみせます!あえてこの場で宣言させていただきます。(^^)/
 私にとっては二十数本ある持ちネタの中で一番長い大ネタ、しかも、落語の技巧を駆使する本来なら笑いどころ満載のウルトラネタでもあります。「どうして落語をやるんだ。」という問いに、「そこに落語があるから。」としか答えようがありません。六合目まで登れば、「そこに頂上が見えるから。」なのです。多くの課題が益々見えて来ました。登れば登るほど落語の山は高いことを再確認しました。でも、私は落語が好きで好きで仕方がないのです。たとえ山の頂上に到達はできなくとも少しでも近づきたいのです。やはり酒田は、いや酒田のお客様は、私を育ててくれるお客様達ばかりなのでした。最後までおつきあい下さったことに「感謝」「感謝」「感謝」です。いつか東北大河会の皆様に必ず大爆笑の恩返しをすることを誓い、この落語会の報告とさせていただきます。本当にありがとうございました。<(_ _)>

【天空亭魚々太郎】

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