震災復興チャリティ落語会in青森の報告

去る8月6日(土)、日が志師匠のはからいで実現した落語会に、佐と吉と註馬が参加してきました。青森、福島、北海道、山形から合計8人が参加する、東北では空前の会(だと思う)になりました。

【根多帳】
「雑俳」     石々亭註馬(山形)
「金明竹」    光家平三(福島)
「転失気」    笑風亭佐と吉(山形)
「たらちね」   中家すゞめ(福島)
<仲入り>
「カラオケ病院」 裁楽亭とんぼ(福島)
「締め込み」   えぞ家葉桜(北海道)
「御血脈」    圓丁亭日が志(青森)
「天狗裁き」   酒飲亭いさん(福島)

開口一番は私の「雑俳」。この時ほどサラ口が難しいと感じたことはありませんでした。なかなか話のリズムに乗れず、これまで毎回のようにウケた所も反応が乏しく、それがさらなる焦りを呼び、苦し紛れの「ウケねえなあ」といった自虐かボヤキで少し反応がある…そんな感じの高座となってしまいました。楽屋の皆さんからある程度の好評をいただいたのがせめてもの救いで、何とか開口一番の役割が果たせたなら幸いです。

続いての平三さんの「金明竹」。間もなく21歳とのこと、若さ爆発の高座でした。話のつくりが実に丁寧。例の言い立てを言うのが、何と大阪で修行をして来たアメリカ人。楽屋が引っくり返るほど、とにかくおかしい。この日最大の大爆笑でした。

石々亭註馬 師匠

石々亭註馬 師匠

光家平三 師匠

光家平三 師匠

次は佐と吉さんの「転失気」。佐と吉さんの次なる定番となりそうな話で、きれいにまとめていました。普通は後半にやる「転失気」の種明かしをマクラでやる演出もアリでは、楽屋一同、そんなことも学習できました。

続くすゞめさんの「たらちね」。ボーイッシュだけど、しっとりとしたお姉さん。そんな雰囲気で、中トリらしい、綺麗にまとまった噺となりました。

笑風亭佐と吉 師匠

笑風亭佐と吉 師匠

中家すゞめ 師匠

中家すゞめ 師匠

仲入り後はとんぼさんの「カラオケ病院」。とんぼさんの高座は柳昇師匠の世界を再構築したもので、創作で2つの病気を追加していました。「居座り病」ではのど自慢風に鐘1つ(カーン)で退場、チクリとした風刺が利きました。サゲは「禁煙外来」、お見事でした。
続く葉桜さんの「締め込み」。準備不足とは言いながら堂々とした高座、ゆっくりと楽しませていただきました。

裁楽亭とんぼ 師匠

裁楽亭とんぼ 師匠

えぞ家葉桜 師匠

えぞ家葉桜 師匠

ヒザは日が志師匠、十八番の「御血脈」での登場です。客席をガッチリ引きつけた高座は、毎度拝聴しても大変勉強になります。どっぷりと地噺の世界に誘っていただききました。

トリはいさん師匠「天狗裁き」の大熱演。これも十八番という感じで、グイグイといさんワールドに引き込まれていきました。

圓丁亭日が志 師匠

圓丁亭日が志 師匠

酒飲亭いさん 師匠

酒飲亭いさん 師匠

個人的に最も心配だったのが、自分の噺がどこまで通じるか、場を汚すことになりはしないかということでしたが、何とか役割を果たせたのではないかという思いが残っています。貴重な経験をさせていただきました。

終演後は、みんなでねぶた祭りに参加。ほかの皆さんが跳人で参加する中、物好きな私は念願叶って化人(ばけと)で参加させてもらうことができました。これも貴重な経験になりました。

【石々亭註馬】
※写真:笑風亭佐と吉

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