大江町民大学シルバー講座~落語会のご報告

 7月10日(土)、大江町の町民ふれあい会館ホールで開催された「元気はつらつシルバー講座~第一回学習講座」に、わが山形落語愛好協会が講師として招かれ、四人でお伺いしてきました。開講式は、午前9時50分スタート。大江町教育委員会の犬飼教育長のごあいさつの後、午前10時から11時30分の90分間、約35名の会員の皆さまに落語四席を披露し、文字通り「元気はつらつ」と笑っていただきましたよ!!(^^)!

【本日の噺家と演目】
宝笑亭 卯さ銀・・・・『茄子娘』
宝笑亭 熊水・・・・・『お見立て』
濃紺亭 らん朝・・・・『寄合酒』
山彦亭 虎之輔・・・・『火焔太鼓』

 初っ端(しょっぱな)は、しっとりとした浴衣姿の卯さ銀さんです。軽妙な語り口で、自己紹介から笑うことの大切さや笑うポイントなどを紹介した後、演目に突入。本日がネタおろしの演目は、おいしい茄子が食卓に上り、うだるような暑さの後、雷雨に襲われたりする今の季節にどんぴしゃりの『茄子娘』です。山形市の千歳山萬松寺に伝わる「あこや姫伝説」では、美男の若武者に扮した「老松の精」が夜ごとあこや姫の元に訪れ、二人は恋に落ちるのですが、この話では小さな寺に住む独り身の四十男の元に、絵から抜け出たような美しい娘(実は「茄子の精」)が突然現れます。木石ならぬ和尚と若き娘が二人きりでいる夏の夜、すさまじい雨になり、ピカリと稲妻が落ちて……。予想外の話の展開に思わず息を飲んだり、笑いどころで大いに笑ったり。会場がしっかり温まったところで、お後と交代です。(^^♪

続いての中トリは、現役女子大生で、週末落語家の熊水ちゃんです。赤い椿をあしらった艶やかな浴衣姿の熊水ちゃんが登場しただけで、会場は華やぎましたね。テンポのいいマクラを振った後、演目の「お見立て」へ。 お見立てとは、江戸時代の遊郭で、店の格子の奥に控えている遊女を、客が表から見て選ぶこと。(早い話が「ご指名」です)若い衆は、お相手の遊女を探しに来た男性客に「よろしいのをお見立てください」と登楼を促したとか。その「お見立て」という言葉が、最後には別のものに使われるのがこの噺のオチになるわけですが、はてさて……。
 熊水ちゃんは花魁の喜瀬川のところは艶っぽく、田舎大尽の杢兵衛さんのところはバカっぽく、そして二人にあたふたと振り回される若い衆の喜助の様子はリアルに演じ分け、会場を大いに沸かせましたよ(^_-)-☆

 お中入りをはさんで膝代り(ひざがわり)は、らん朝さんです。数ミリに刈り上げたヘアースタイルと、何と本日が卸し立ての浴衣姿で登場。(実は、虎之輔も新調の着物だったため、着替えの時、二人でそれぞれしつけ糸を取るのに悪戦苦闘をした次第でした)マクラで、刈り上げ頭の由来である自身の高校時代の野球部の話を紹介。「盗塁の得意だったやせ型のあいつは、今や糖類制限の肥満体型」などと、かつてのナインの昔と今を対比させた小噺で、会場を笑いの渦に巻き込みました。そして、その勢いで、演目の『寄合酒』に入ります。貰った酒で飲み会をしたい町内の若い衆。肴がないので各々調達に走りますが、どれもこれも曰く付きの物ばかり。肴をどうやって手に入れたかを生き生きと語る若い衆の姿から、高校球児がつらい練習を終えて、バイクの話とか、女の子の話とか、雑談でわいわいと盛り上がる様子を思い浮かべてしまいました。ともあれ、中入り後の会場を、再びヒートアップさせて、お後と交代です。(^^)/

 トリは、今回の出演が100回目になる虎之輔が取らせてもらいました。最初のあいさつで、『山形落語愛好協会に入会して100回目の公演を、この大江町ふれあい会館ホールでやらせてもらうこと、光栄に思っています。』と述べたところ、あたたかい拍手をいただき、感無量でした。マクラで「落語の楽しみ方は、笑うことだけではありません。噺家がオチを言う前のわずかな間(ま)に、お客さんが先にオチを言ってしまうという、高度な楽しみ方もあります。今日はぜひ挑戦して見ましょう」と、お客さんを勧誘。「寅さんのタンカバイ」を披露しながら、オチのところで軽く合図していくと、「(男は度胸、女は)愛嬌!」「(坊主は)お経!」というように、特に女性のお客さんが積極的に声を出してくれて、大いに盛り上がりました。
 そして、演目の「火焔太鼓」へ。コロナ禍の中で、早く平和な日常に戻ってほしいという願いを込めて、最後がハッピーエンド感満載の古典落語をかけて、お開きとさせてもらいました。( ^^) _U~~

 大江町ふれあい会館ホールでの山形落語愛好協会の公演は、今回が初めてだったようですが、ノリのいいお客さまと、親切なスタッフの皆さんにあたたかく迎えられて、出演者一同、楽しく務めさせて貰いました。山形落語協会のメンバー一同、これからますます精進して行きますので、またお呼びください。本日は、まことにありがとうございました。     【山彦亭 虎之輔】

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