維豊気祭での落語披露の御報告

お盆の最初の日である、8月13日(日)。尾花沢市寺町の薬師寺で開催された「維豊気(いぶき)祭」にお呼ばれし、山形落語愛好協会の下記のニ名が落語を披露して来ました。
「維豊気祭」とは、自然豊かな場所で、心豊かな気持ちを次世代へ伝えていく志を持ち、様々な活動をしている「維豊気会」の祭りで、今年のテーマは「願い込め 絵馬に想いを納めおく 噺と喫茶と唄の盂蘭盆(うらぼん)」。落語披露は19時からでしたが、主催者の寺町青年団の方より「早めに会場にいらして、絵馬納めや茶の湯体験をどうぞ」とのご案内をいただき、17時に薬師寺に到着しました。かがり火に見立てたスエーデントーチに迎えられ、境内に入ると、リサイタル音合わせの真っ最中。演歌の鳴り響く中、我々は本堂に招かれ、上ノ畑焼きの茶碗で抹茶をいただき、奉納する絵馬書きを体験した次第です。その後、18時半からの絵馬祈祷にも参列し、住職のありがたいお祓いも受けさせていただきました。
そして落語の部は、本堂で予定通り19時に開演。照明をやや落としたおごそかな雰囲気の中、約20名のお客さんに、当会の落語二席で「笑って楽しんで」いただくことが出来ましたよ!!(^^)!

【本日の噺家と演目】
・遊歩亭 千 早・・・『転失気(てんしき)』
・山彦亭 虎之輔・・・『六尺棒』

開口一番は千早君です。御年(おんとし)19歳、山形落語愛好協会の活動歴二年目の千早君ですが、荘厳な本堂の御神体を背にして座り、入り口の扉が開かれて境内にいるお客さんやスタッフの方にも聞こえるようマイク二本を設置するという、いつもより大がかりな舞台設定に少しも気後れすることなく噺す様子は、堂々たるものでした。
演目は、前座噺のスタンダートでお寺が舞台という、まさに本日の時と場にふさわしい『転失気』。持ち時間を気にしてでしょうか、いつもより早口での高座でしたが、それが逆に軽快なテンポを生み出し、お客様は知ったかぶりをする和尚と、何食わぬ顔で和尚を翻弄する小坊主の掛け合いにすっかり引き込まれていましたよ。場をしっかりと温めて、お後と交代です。(^_-)-☆

続いては、虎之輔の登場です。実は、私、虎之輔は山形県新卒採用の高校教師として、奉職したのが尾花沢高校だったのです。そこでマクラでは、尾花沢市民として、五年間暮らした中で覚えた尾花沢独特の方言を、お客様に答えてもらうという形で進めました。「一つ目、地元の人は尾花沢のことを何といいますか?三文字です」と言った途端、境内から「おばねー」という男性の野太い声が聞こえてきたのです。続いて「では、うそつくな!」は➡「ずほだべー」。「かわいそうは?」➡「むごさい」「むつこすい」と、次々に大きな声で答えが叫ばれ、会場のボルテージが一気に上がりましたよ( ^^) _U~~
その勢いで、演目の『六尺棒』に突入。頑固一徹な父親と、夜遊び・火遊び・遊び放題の道楽息子の丁々発止のやり取りに、会場はおおいに盛り上がり、本日のおひらきを迎えました。( ^)o(^ )

終演後、主催者の方より「来年以降もこの時期に維豊気祭を開催するので、また落語をお願いしたい」という有難い言葉をいただきました。そして、間助さんと共に「瀧見館」のお風呂に入らせてもらいました。蒸し暑い夏の夜、露天風呂には虫たちも来ていましたが、トローンとした泉質の銀山温泉は最高でした。
維豊気会のスタッフの皆様、そしてお客さまの皆様、本日はまことにありがとうございました。また、尾花沢市の皆様とお会いできることを楽しみにしています。    【山彦亭 虎之輔】

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