天童市あこがれ慰問落語会のご報告

山形も梅雨入りが発表されて厚い雲が空を覆う中、天童市荒谷の介護老人福祉施設あこがれさんにて行われた慰問落語に、霜月亭こよしさん、山彦亭虎之輔さんと私、満願亭珍逸の三人でお伺いしてきました。スタッフの方を合わせて約40名の皆さんに笑っていただきましたよ!

【本日の噺家と演目】
・満願亭 珍逸・・・・『ん廻し』
・霜月亭 こよし・・・『やかん』
・山彦亭 虎之輔・・・『火焔太鼓』

開口一番は私、珍逸です。最初にメクリをめくっておくのを忘れてしまい、自分の名前がどこにあるのか・・・しばしの苦闘の後、高座に上がってご挨拶。「おかげさまで私どもも結構噺家が増えまして、下は高校生、上は・・・おしゃべりさせていただきます」などとマクラを振って、お付き合いいただくのは『ん廻し』です。
「ん」が付いた数だけ木の芽田楽が貰えるという噺、色んな「ん」の付く言葉を指折り数えていきますが、お客様には軽くうなずきながら一緒に数を数えてもらいました。皆様しっかりとこちらに耳を傾けているのがよく分かります。お耳慣らしも終わったところでお後と交代です。

続いてはこよしさんです。自分の芸名の由来に関するマクラを振って本日のネタ『やかん』に入ります。世の中に知らない物はない、というご隠居に長屋の八っつぁんが次々と「これはどうなんです?」と疑問をぶつけます。それらを小理屈屁理屈付けながらやり過ごすご隠居の負けず嫌いに思わず笑い声が。
八っつぁん、やかんの由来を尋ねると始まりましたはご隠居の川中島の講談。言い立てが終わると皆様から拍手が。約3ヶ月ぶりの高座でも、腕に遅れは取りません!

本日のトリは虎之輔さんです。こよしさんへの拍手も鳴りやまぬ中、早々にマクラを振って本日のトリネタ『火焔太鼓』へ。今の大河ドラマでもお馴染み、古今亭志ん生の十八番です。
お世辞にも商売が上手いとは言えない道具屋の甚兵衛さん、埃まみれの古びた太鼓を買い付けたのはいいけれど、おかみさんにコテンパンにこき下ろされてしまいます。それでもせっかく買ったのだから、と小僧の定吉にハタキをかけさせますが・・・
虎之輔さんの丁寧な台詞回しにお客様がしっかりと耳を傾けてくれました。下げ渡された太鼓の代金三百両を甚兵衛さんがおかみさんの目の前で積み上げる場面では、この日一番の大笑いを頂きました。

終演後に改めてご挨拶をし、その後も「面白かった」「また聴きたい」とお褒めの言葉を頂戴しました。
本日はありがとうございました!

【満願亭 珍逸】

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