行く夏を惜しむ落語会のご報告

9/30(土)はやまらく亭にて企画落語会の第二弾、「行く夏を惜しむ落語会」を開催しました。
稲刈りや芋煮会など秋のイベント目白押しの中、少数精鋭のお客様に四人の噺家がこの日に向けて磨いてきたネタをみっちりとお聴きいただきましたよ!

【本日の噺家と演目】
・走風亭 満月『酒と恩返し』
・闘球亭 丘割『千両みかん』
 仲入り
・濃紺亭 らん朝『のっぺらぼう』『旅行日記』
・如月家 道楽 講談『怪談 耳なし芳一』

開口一番は満月さんです。
「空席以外は満席のお客様で‥」と初っ端からお客様の耳を捉えて離しません!スポットライトが当たる高座にもう一つ笑いのスポットライト、いつもよりさらに輝いております!
ネタは新作落語のトップランナーの一人、柳家喬太郎師匠作の『酒と恩返し』。居酒屋にて酒を酌み交わす男達の話題は保険料の値上げや薬代の高さなど身近でちょっと重い話・・になるはずが、ボケとツッコミの応酬で笑いが止まりません!しんみり飲むよりも酒の席くらいは笑って飲む方が身体にも良いようで。
しっかりと場を温めてもらいお後と交代です。

続いては丘割くんです。
よほどの気合の入りよう、かつて受験の時に巻いた白地に校章の長ハチマキで入場です。(写真を撮るのが間に合わずゴメンナサイ!)中学生の時に入会した彼も今や大学生、月日の経つのは早いものです。その中学生の時に覚えた『千両みかん』、数年ぶりの口演となりました。年月を経て、ウケどころやクスグリを意識してお客様を楽しませようという、噺家らしい了見を披露してくれました。
端から聞けばバカバカしい、ところが本人たちはいたって大真面目に、うだるような夏の暑さが応える中で冬の味覚、みかんを巡る一席です。
丘割くんにとっては2つの意味で「蔵出し」のネタでもってお仲入りとなりました。

仲入りの後はらん朝です。
夏の思い出、歳を重ねるごとにかえって子供の頃の記憶がまざまざと蘇るようになった、というマクラから昔好きだった「ゲゲゲの鬼太郎」の話題、そこから『のっぺらぼう』にてお付き合いいただき、その後は山形の秋の味覚といえばやっぱり芋煮、その具材に関わるマクラを振りながら、その土地のあまりにクセのある味の噺『旅行日記』の一席を。
笑いを交えながらちょっと背筋が寒くなる噺でもってお後と交代です。

本日のトリ、道楽さんです。
写真でご覧の通り見台に膝隠し、小拍子と、トリネタは講談にて、それもまさに「行く夏を惜しむ」怪談噺にてお楽しみいただきました。
怪談として昔から語り継がれ親しまれている『耳なし芳一』、これを道楽さん独特の低音が響く声でもって聴くものを楽しませる講談に改めての高座です。
クライマックスの、平家の亡霊に芳一の耳が千切られる場面は、思わず自分の耳を確かめるほど真に迫った一席となりました。
最後はボーナストラックとして、山形県にまつわる怪談の朗読でもって幕となりました。

お忙しい中、お客様には足をお運びいただき、ウケどころではたっぷり笑っていただきました!ありがとうございます!
またの企画会をお楽しみに〜!
【濃紺亭 らん朝】

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